ジェノサイド条約
日本は、ジェノサイド条約に批准していないそうだ。2024年時点で約152か国が批准しています。この条約は、国連総会で1948年12月9日に採択され、1951年1月12日に発効しました。
イスラエルによるガサ地区への攻撃は、ジェノサイドだとして国際司法裁判所に提訴されていsる。
BBCニュース:ガザめぐる「ジェノサイド」訴訟、南アとイスラエルの主張と今後の見通し
2024年1月13日 https://www.bbc.com/japanese/features-and-analysis-67966883
日本の国内法との整合性などの問題により、批准できていないという回答
日本の状況
日本はジェノサイド条約を批准していません。その主な理由として、国内法との整合性や、条約が求める義務と憲法上の制約に関する議論が挙げられます。
背景
- 国内法との整合性:
- ジェノサイド条約では、集団殺害行為を防止・処罰するために国内法を整備する義務があります。
- 日本の刑法は個人犯罪に基づいており、集団を対象とした犯罪に特化した規定がないため、法改正が必要とされています。
- 死刑の問題:
- ジェノサイド条約は、重大犯罪に対する厳しい処罰を要求しますが、死刑に関する国際的な議論が日本の批准の足かせとなっています。
- 戦後の国際的背景:
- 第二次世界大戦後の占領期における戦犯裁判(東京裁判)などの影響もあり、条約への対応が慎重に進められてきました。
条約を批准している主な国
- アメリカ、イギリス、フランス、中国、ロシアなどの国連常任理事国。
- ドイツ、イタリア、カナダ、オーストラリアなどの先進国。
- 多くのアフリカ、中南米、アジア諸国も含まれます。
日本における議論の現状
日本国内では、ジェノサイド条約を批准すべきだとの意見が専門家や国会議員の間で議論されていますが、批准に向けた具体的な進展はみられていません。
批准しない理由には「国際的責任を果たすべきだ」とする意見と、「国内法改正の手間や条約の義務が日本の現行法制度と合わない」とする意見が対立している状況です。
集団殺害の防止及び処罰に関する条約:PDF
上記の日本語訳(DeepLによる自動翻訳):ジェノサイドの犯罪の防止及び処罰に関する条約
関連ニュースなど
UNRWAへの令和5年度補正予算の拠出について
令和6年4月15日
https://www.mofa.go.jp/mofaj/press/release/pressit_000001_00608.html
2023.10.03
UNRWAと戦後日本の歩み:日本政府によるパレスチナ難民支援の源流を求めて
鈴木啓之 中東地域研究
https://synodos.jp/opinion/international/28951/
BBC NEWS JAPAN
イスラエル軍、人質救出で混雑した通りを砲撃 作戦はどう展開したのか
2024年6月11日
https://www.bbc.com/japanese/articles/c4nnrv8rvwpo
CNN JAPAN
イスラエル軍による人質救出作戦、実行当時の詳細が一部明らかに
2024.06.11 Tue posted at 16:00 JST
https://www.cnn.co.jp/world/35219960.html
2024年年末
イスラエルによるガサ地区への攻撃がジェノサイドとして提訴されていたことは、気づいておりませんでした。遠い国の出来事なので、無関心であることも一因と考えられます。
以前から中国国内でもジェノサイドではないかと云われているのがこちらではないか?
AI監獄ウイグル 単行本(ソフトカバー) – 2022/1/14
ジェフリー・ケイン (著), 濱野 大道 (翻訳) https://amzn.to/4c3CpXY
AI監獄ウイグル(新潮文庫) Kindle版
ジェフリー・ケイン (著), 濱野大道 (翻訳) 形式: Kindle版 https://amzn.to/3XrjaTY
市井の者(一般庶民)にとって、中東の出来事や中国の出来事も遠い国の出来事、他人事、対岸の火事としか見れていません。誠に遺憾ですが、物価高騰や日本国内の事情のほうが優先となるので、やむを得ないかと存じます。
ジェノサイド条約に批准するには
下記にChatGPTに問い合わせた結果を貼りつけておきます。法律の専門家ではないので、わかりませんが、かなりハードルが高そうです。
日本がジェノサイド条約(集団殺害の防止及び処罰に関する条約)を締結するには、以下のような国内法の整備が必要とされています。諸外国の例と比較しながら説明します。
必要な国内法の整備
- ジェノサイド罪の新設
- 日本の刑法では、殺人罪や傷害罪は個人に対する犯罪として規定されていますが、ジェノサイド条約が対象とする「特定の集団を破壊する目的の犯罪」には対応していません。
- 必要な法律:刑法の改正や新法制定により、ジェノサイド罪を明記し、その定義と罰則を設ける。
- 集団を対象とする犯罪の明確化
- ジェノサイド条約では、「民族、宗教、人種、または特定の集団」を対象とした殺害や重大な身体的・精神的危害の行為がジェノサイドと定義されています。
- 必要な法律:被害者が特定の集団に属することを動機とした犯罪を処罰できる規定の導入。
- 予防措置と通報義務の整備
- 条約は、ジェノサイド行為を防止するための措置を各国に義務付けています。
- 必要な法律:国際協力や情報共有を含む予防的な政策立案とその実行体制を国内法で規定。
- 国際裁判所への協力規定
- ジェノサイド罪は国際刑事裁判所(ICC)などでも扱われるため、これに協力する国内法が必要。
- 必要な法律:日本の司法が外国や国際機関と協力できる手続法の整備。
諸外国の事例
1. ドイツ
- ドイツでは、ジェノサイド条約の締結に際して「国際刑法典(Völkerstrafgesetzbuch)」を制定。
- この法律では、ジェノサイドや戦争犯罪、そして人道に対する罪が詳細に定義され、裁判管轄権も明確化されています。
【参照】
慶應義塾大学学術ルポジトリ Title ドイツ国際刑法典全訳(関連規定含む:二〇一七年一月一日現在) PDF
2. フランス
- フランスでは、刑法に「ジェノサイド罪」を追加。集団を対象とした犯罪行為を重罪として規定し、最高刑を終身刑と定めています。
- フランス刑法は国内外で起きたジェノサイド事件にも裁判管轄権を行使できる規定を持っています。
【参照】
https://www.legifrance.gouv.fr/codes/article_lc/LEGIARTI000006417533
(原文)
Article 211-1 - Version en vigueur depuis le 07 août 2004
- Modifié par Loi n°2004-800 du 6 août 2004 – art. 28 () JORF 7 août 2004
- Constitue un génocide le fait, en exécution d’un plan concerté tendant à la destruction totale ou partielle d’un groupe national, ethnique, racial ou religieux, ou d’un groupe déterminé à partir de tout autre critère arbitraire, de commettre ou de faire commettre, à l’encontre de membres de ce groupe, l’un des actes suivants :
- – atteinte volontaire à la vie ;
- – atteinte grave à l’intégrité physique ou psychique ;
- – soumission à des conditions d’existence de nature à entraîner la destruction totale ou partielle du groupe ;
- – mesures visant à entraver les naissances ;
- – transfert forcé d’enfants.
- Le génocide est puni de la réclusion criminelle à perpétuité.
- Les deux premiers alinéas de l’article 132-23 relatif à la période de sûreté sont applicables au crime prévu par le présent article.
(日本語訳:DeepLによる自動翻訳)
第211条第1項 - 2004年8月7日より施行
- 2004年8月6日付2004-800号(第28条)により修正。
- ジェノサイドとは、国家的、民族的、人種的もしくは宗教的集団、またはその他の恣意的な基準に基づいて決定された集団の全体的もしくは部分的な破壊を目的とする共同計画の実行において、その集団の構成員に対して、以下のいずれかの行為を行うこと、または行わせることをいう:
- 故意の身体的危害;
- 身体的または精神的な重大な危害
- 集団の全体的または部分的な破壊をもたらす可能性のある生活条件に服従させること;
- 出産の防止を意図した措置
- 子どもの強制移送
ジェノサイドは終身刑に処される。
懲役の期間に関する第132条の23の最初の2項は、本条に規定する犯罪に適用される。
https://www.legifrance.gouv.fr/codes/article_lc/LEGIARTI000006417402
(原文)
Article 132-23 - Version en vigueur depuis le 13 décembre 2005
- Modifié par Loi n°2005-1549 du 12 décembre 2005 – art. 3 () JORF 13 décembre 2005
- En cas de condamnation à une peine privative de liberté, non assortie du sursis, dont la durée est égale ou supérieure à dix ans, prononcée pour les infractions spécialement prévues par la loi, le condamné ne peut bénéficier, pendant une période de sûreté, des dispositions concernant la suspension ou le fractionnement de la peine, le placement à l’extérieur, les permissions de sortir, la semi-liberté et la libération conditionnelle.
- La durée de la période de sûreté est de la moitié de la peine ou, s’il s’agit d’une condamnation à la réclusion criminelle à perpétuité, de dix-huit ans. La cour d’assises ou le tribunal peut toutefois, par décision spéciale, soit porter ces durées jusqu’aux deux tiers de la peine ou, s’il s’agit d’une condamnation à la réclusion criminelle à perpétuité, jusqu’à vingt-deux ans, soit décider de réduire ces durées.
- Dans les autres cas, lorsqu’elle prononce une peine privative de liberté d’une durée supérieure à cinq ans, non assortie du sursis, la juridiction peut fixer une période de sûreté pendant laquelle le condamné ne peut bénéficier d’aucune des modalités d’exécution de la peine mentionnée au premier alinéa. La durée de cette période de sûreté ne peut excéder les deux tiers de la peine prononcée ou vingt-deux ans en cas de condamnation à la réclusion criminelle à perpétuité.
- Les réductions de peines accordées pendant la période de sûreté ne seront imputées que sur la partie de la peine excédant cette durée.
(日本語訳:DeepLによる自動翻訳)
第132条の23 - 2005年12月13日より施行
- 2005年12月12日付2005-1549号(2005年12月13日付日本弁護士連合会)第3条により修正
- 法律で特別に規定された犯罪について10年以上の執行猶予のない拘禁刑が言い渡された場合、有罪判決を受けた者は、刑の執行猶予又は分割、外部への収容、一時的な不在、半自由又は条件付釈放に関する規定の利益を、保障期間中に受けることはできない。
- 禁固の期間は、刑期の半分または終身刑の場合は18年である。ただし、治安裁判所または審判所は、特別決定により、これらの期間を刑期の3分の2または終身刑の場合は22年に延長するか、またはこれらの期間を短縮することを決定することができる。
その他の場合において、裁判所が、執行猶予のない5年を超える拘禁刑を科するときは、裁判所は、有罪判決を受けた者が第1項に掲げる刑の執行方法のいずれからも利益を受けることができない保障期間を定めることができる。この期間は、科された刑の3分の2または終身刑の場合には22年を超えることはできない。 - 保障期間中に認められた刑の減軽は、この期間を超える刑の部分からのみ控除される。
3. イギリス
- イギリスでは、「国際刑事裁判所法(International Criminal Court Act 2001)」を制定。
- この法律に基づき、ジェノサイドや戦争犯罪、人道に対する罪を国内で起訴可能としています。
【参照】
2001年国際刑事裁判所法
4. カナダ
- カナダは「犯罪法(Crimes Against Humanity and War Crimes Act)」を改正してジェノサイド条約に対応。
- この法律により、カナダ市民や国内に居住する者が海外でジェノサイドに関与した場合でも起訴が可能。
【参照】
人道に対する罪および戦争犯罪法
https://laws-lois.justice.gc.ca/eng/acts/c-45.9/page-1.html
日本が考慮すべきポイント
- 憲法との整合性
- 日本国憲法が保障する平和主義や基本的人権と、ジェノサイド条約の義務を調和させる必要があります。
- 刑法の補完
- 現行刑法では、ジェノサイドの「計画」や「共謀」を罰する規定がないため、国際基準に対応した拡充が求められる。
- 国際協力体制の明確化
- 外国や国際裁判所との連携をスムーズにするための法律(例:捜査協力、被告人の引き渡しに関する規定)の導入。
まとめ
日本がジェノサイド条約を批准するには、刑法の改正や新法の制定が必要です。特に、ジェノサイド罪の明文化や国際裁判所への協力体制の整備が求められます。他国の事例を参考にしながら、国内法を国際基準に適合させることが重要です。
コメント